障害のある人の社会参加を目指す、「障害者総合支援法」という法律があります。
この法律に基づき、障害や病気などが理由で、自力で仕事に就くことが困難な人を対象とした国の就労支援制度があります。
就労支援制度は「就労移行支援」と「就労継続支援」に区分され、自分に合った支援を利用するために、それぞれの内容について知っておきましょう。
障害や病気のある人が、一般企業への就職を目指して必要なスキルや知識を身につけるために受けられる福祉サービスのことです。
「働きたい」という気持ちがあっても、障害や病気による不安や悩みから一歩を踏み出せない人を後押しします。
専門家が利用者の希望や適性をヒアリングしながら個人計画を立て、トレーニングや実習などを経て就職活動に結びつけ、就職後も定着支援があるため、継続的なサポートが受けられます。
就労移行支援では、主にビジネスマナーや専門スキルのトレーニングや、職場探しや就職活動のサポート、就職後の定着サポートを受けられます。また体調管理やコミュニケーション能力向上のためのプログラムも提供されていることも多く、事業所ごとに支援内容は異なります。
就労移行支援事業所を選ぶ際は、見学や問い合わせを通じて自分に合った事業所を選ぶことが大切です。
障害や病気のために一般企業で働くことが困難な人が、事業所で就労訓練や軽作業などの仕事に取り組むことができ、仕事の基礎的な知識を学ぶだけではなく、コミュニケーション能力の向上や居場所づくりを目的としています。
事業所と雇用契約を結んで賃金が発生する「A型」と、雇用契約を結ばないで作業の対価として工賃をもらう「B型」の2種類があります※。
※A型は、平成30年4月から、65歳以上の者も要件を満たせば利用可能。 B型は、50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者。
一般企業への就職と定着を目的とした支援であるかどうかが、一番の違いとなり、就労移行支援は一般企業への就職を目指す人のためのトレーニングの場としての意味合いがあります。
事業所と雇用契約を結ばないので、基本的に賃金はありません。
利用期間や年齢制限があり、「個別支援計画」に基づいてスキルアップや日常生活の指導をする専門家が訓練に当たります。
また、就労継続支援A型・B型事業所での訓練を経て、就労移行支援事業所を利用する人もいます。
就労継続支援は一般企業への就職が困難な人が利用する場で、簡単な軽作業などの対価として賃金や工賃を受け取りながら、働くことのやりがいを身につけます。
事業所に足を運ぶことで日常にメリハリをつけ、自立した生活を促すことも支援の目的の一つです。
就労移行支援を受けながら就職活動を行う際、やはり気になるのが実際に働いていけるのかどうか。仕事となると事業所での訓練とは異なる部分も多く、仕事をうまくこなすことができないかも、と不安を覚える人も多いでしょう。
そこで、愛知県内で就職をした方に関する実際の事例をご紹介。会社内でどのように活躍しているのか、また会社側が雇用をした方に対してどのように評価をしているのかを解説しています。
採用を決めた会社側の意見も載せているので、障がいを持つ人を採用している会社側がどんな思いを持っているのか、ぜひ参考としてみてください。
就労移行支援を利用する人の多くは無料で通所していますが、なかには有料での利用になる場合もあります。
利用料金は厚生労働省によって定められており、サービス利用料の9割は自治体が補助金で負担し、残りの1割を利用者が負担します。この1割の利用料金について、「生活保護受給世帯」と「市区町村民税非課税世帯」の利用者の場合は0円(無料)で利用が可能です。それ以上の所得世帯利用者は、月額で最高37,000円までの利用料を負担することになります。
所得区分などの詳しい情報は、こちらで紹介しています。
障がいを持ちながらも就職を目指したい方にとって、就労移行支援施設と職業訓練校のどちらへ通所すべきか悩んでしまうことがあるかもしれません。
ハローワークが行っている職業訓練は、障がいのある・なしに関わらず、専門的な知識や技術を習得できる施設です。基本的に週5日の通所が必要であり、適性や求職業種に沿った知識を集中的に学べます。就労移行支援施設は障がいを持つ方を対象にしており、初めて就労する方に向けてビジネスマナーや日常生活の指導など、社会生活の流れから支援を行っていることが特徴です。週5日通うのが厳しいという方でも、自分のペースで通いやすくなっています。
こちらでは、ふたつの施設の特徴と異なる点についてまとめています。
就労移行支援の事業所の選び方に迷っていませんか?
事業所を選ぶ際には、自治体や専門機関に相談し、支援内容や雰囲気、就職実績や定着率を確認することが重要です。
本記事では、自治体や専門機関の相談窓口を活用する方法、事業所のプログラム内容や支援員との相性の確認、就職実績のチェックなど、選び方の重要なポイントを解説しています。